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2017年6月15日

50歳過ぎて婚活、3週間でのスピード婚を決断したワケは?

50歳の時点で一度も結婚していない人の割合を示す「生涯未婚率」

国の調査では男性23パーセント、女性14パーセントと上昇傾向が続くが、一方、結婚歴のない50代以上が伴侶を求め婚活に乗り出すケースが増えている。

作家の阿川佐和子さんが63歳で初めて結婚したことも話題になった。「シニア初婚」が広がる背景を追った。

男性23パーセントが「未婚」。生涯未婚率は年々、上昇している。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査を基に、5年に1回公表する。2015年は男性23.37パーセント、女性14.06パーセントだった。男性は約4人に1人、女性は約7人に1人の割合。前回の10年に比べ男性は3.45ポイント上がり、過去最高を更新した。35年には男性28.95パーセント、女性19.15パーセントまで上昇すると同件研究所は予測する。

 

生涯未婚率はあくまでも50歳時点で一度も結婚していない人の割合。一生独身を続ける人の割合ではなく、それ以降に結婚する人は統計に表れない。生涯にわたって未婚者が増えているのか、単に晩婚化で結婚が遅くなっているだけなのか、見極める必要がある。

 

生涯未婚率 上昇の陰で

4月中旬、横浜駅近くのビルに、年配の男女が続々と入ってきた。お目当ては中高年向け結婚情報サービス、茜会(東京・新宿)が横浜サロンで開く「婚活トークショー」だ。最近結婚した中高年夫婦に経緯や心情などを語ってもらい、婚活中の会員の参考にしてもらう。今回で3回目。この日も50人近くが参加し、会場は熱気に包まれた。

 

4組の夫婦(事実婚も含む)が体験談を披露。特に関心を集めたのが I 様(53)と奥様(48)夫妻だ。2人は初婚同士。1月末に茜会で知り合い3週間で入籍するスピード婚だった。

 

技師の I 様の仕事に奥様が興味を持ち、話が盛り上がった。「今まで自分の仕事に興味を示す女性はいなかった」と I様。

 

奥様は体調の不安に苦しみ、人前に出るのが苦手だった。2回目のデートでこのことを打ち明けた際、I様から「全然気にならない」と言われ、「この人なら安心して寄り添える」と思ったという。

I 様の職場には女性が少なく縁がないまま、気づけば50歳を過ぎていた。このまま一生独身かという不安に襲われ、2年前に茜会の門をたたいた。伴侶を見つけた今、気持ちが落ち着き、「仕事で嫌なことがあっても妻のために頑張れるようになった」と話す。これまで結婚情報サービスの会員は20~30代が中心だった。最近は、結婚経験のない中高年が相手を求めるシニア初婚の市場は広がっている。

今まで独身を続けてきた理由は人それぞれ。中でも目立つのが老親の介護だ。2年前に茜会で知り合った女性(61)と結婚した、さいま市在住の元公務員N様(65)が26年間、自宅で病気の母親を看病しながら仕事を続けた。「母の世話で精いっぱい。結婚を考える余裕もなかった」と振り返る。8年前に母親が他界。仕事をやめたのを機に、身の振り方を考えるようになり、婚活を始めた。

 

再婚の場合、子どもがいると財産分与などでもめることもあり、婚姻や同居ができないこともある。初婚ならそうした問題もなく、円滑に結婚生活を送れる。

 

生涯未婚率が上昇していることは、一生結婚しない人は増えているような印象を持ちがちだ。ただ、実際には、シニアの婚活熱も高まっている。一見、矛盾するような現象について婚活事情に詳しい評論家の牛窪恵さんは「一度も結婚しなかった人が人生の折返し地点の50歳を過ぎ、後半生を誰かと寄り添いたいと婚活を始める例は多い。晩婚化の時代、50歳で生涯未婚率を算出するのは実態とかけ離れている」と語る。これまで中高年から婚活を始めることに、ためらいや気恥ずかしさを感じる人も少なくなかった。シニア初婚の広がりは、そうした中高年の背中を押すことにもつながりそうだ。

>>阿川さんの結婚から見る、シニア婚活、男女の本音を知りたい方はこちらもチェック

https://www.akanekai.co.jp/結婚相談所/60代の初婚のメリットについて考える。/

 

 

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